物忘れの変化に気づくために

人の名前がすぐに出てこなかったり、物を置いた場所を忘れたりすることは、年齢を重ねるなかで誰にでも起こり得ます。一方で、物忘れが生活の中で増えてきたと感じると、ご本人やご家族が不安になることもあるでしょう。
今回は、加齢による物忘れと認知症による物忘れの違い、軽度認知障害(MCI)、日常生活で気づきやすい変化についてご紹介します。
軽度認知障害(MCI)とは
その後の経過には個人差があります。認知症へ進行する人もいれば、MCIの状態が続く人や、年相応の認知機能に回復する人もいます。気になる変化があれば、早めに医療機関などへ相談しましょう。
軽度認知障害(MCI)は、認知機能が健康な状態と認知症の中間にある状態です。物忘れなどの変化がみられることがありますが、基本的な日常生活は自立して送れることが多く、認知症そのものではありません。
MCIかどうかは、ご本人やご家族だけで判断するものではありません。医療機関で相談・評価を受けることが大切です。
加齢による物忘れと認知症による物忘れ

一つの目安として、加齢による物忘れでは「食事のおかずを一部思い出せない」など、体験したことの一部を忘れることがあります。
認知症による物忘れでは「食事をしたこと自体を忘れる」など、体験全体を忘れることがあるとされています。また、認知症では日常生活に支障が出る場合があります。
ただし、物忘れの様子には個人差があります。こうした違いだけで認知症かどうかを判断することはできません。
いつもの暮らしの中で、次のような変化が続いていないか、そっと見守ってみましょう。
日常生活で気づきやすいサイン
- 同じ話や質問を何度も繰り返す
- 人や物の名前が出にくくなる
- 物を置いた場所を忘れ、見つけられないことが増える
- 日付や今いる場所が分かりにくくなる
- 趣味やテレビ、新聞などへの関心が薄れる
ご家族が気づきやすい変化
- 怒りっぽくなったり、落ち込みやすくなったりする
- 服装や身だしなみに気を配らなくなる
- 料理の味付けや作るものが変わる
- 同じ物をたくさん買うなど、買い物の様子が変わる
- 片付けが難しくなる
- 疑い深くなることがある
受診を考えるサイン
以前のご本人と比べて明らかな変化があり、気になる状態が続くときは、年齢のせいと決めつけず、受診や相談を考えてみましょう。
- 日常生活に支障が出始めた
- 性格や気分の様子が急に変わった
- 慣れた道で迷うことがあった
受診するならどの診療科?
もの忘れ外来・認知症外来のほか、次の診療科が相談先として挙げられます。
- 精神科
- 心療内科
- 脳神経内科
- 脳神経外科
医療機関によって対応する診療科は異なります。まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらう方法もあります。
気になる変化があったときは

気になる様子があれば、責めたり急かしたりせず、いつ頃からどのような変化があるかを見守りましょう。
心配が続くときは、かかりつけ医や「もの忘れ外来」、地域包括支援センターなどに相談できます。地域包括支援センターは、認知症や介護について相談できる窓口です。
早めに相談することで、ご本人やご家族に合った支援につながることがあります。一人で抱え込まず、身近な相談先を利用してみてください。
施設へのお問い合わせや介護に関するご相談は、ホームページ内のお問い合わせ窓口をご利用ください。
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参考情報(外部リンクが開きます)
厚生労働省「軽度認知障害」
国立長寿医療研究センター「MCIについて」
https://www.ncgg.go.jp/dementia/mci/about.html
認知症介護情報ネットワーク「認知症を知る」
https://www.dcnet.gr.jp/about/know01.php
厚生労働省「認知症に関する相談先」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00003.html
