「最近、階段の上り下りで膝がピリッとする」 「椅子から立ち上がる時に、つい『よっこいしょ』と言ってしまう」
そんな悩みはありませんか?膝の痛みは、加齢や軟骨のすり減りだけが原因ではありません。実は、日々の「何気ない動作」が膝への負担を倍増させていることが多いのです。
今回は、愛野記念病院のリハビリテーション科から、今日からすぐに実践できる「膝をいたわる体の使い方」をご紹介します。
1. なぜ階段で膝が痛むのか?
階段を上り下りする際、膝には体重の約3〜5倍の負荷がかかると言われています。 間違った体の使い方をしていると、この負荷が特定の場所に集中し、痛み(変形性膝関節症など)の原因になります。
特に注意したいのが、「ニーイン(Knee-in)」という状態。膝が内側に入ってしまう動きです。
2. 理学療法士直伝!負担を減らす「階段の合言葉」
リハビリの現場で患者様にお伝えしている、魔法の合言葉があります。
それは、「行き(上り)は良い良い、帰り(下り)は怖い」です。
上る時:痛くない方の足から
上る動作は筋肉をしっかり使うため、「痛くない方の足」から先に一段上ります。次に、痛む方の足を同じ段に揃えます。
下りる時:痛い方の足から
下りる動作は膝への衝撃が強いため、先に「痛い方の足」を下の段へ。後から痛くない方の足を揃えます。
3. 椅子からの立ち上がりは「お辞儀」がポイント
椅子から立ち上がる時、膝にグッと力を入れていませんか? 実は、膝の負担を減らすには「股関節」を上手く使うのがコツです。
- 足を少し手前に引く: 足首が膝より少し後ろに来るようにします。
- しっかりお辞儀をする: おへそを太ももに近づけるように体を前に倒します。
- お尻を浮かせる: 頭の重みを利用して、自然に立ち上がります。
これだけで、膝にかかる力は驚くほど軽減されます。
4. 1分でできる!膝を守る「貯筋」運動
膝の関節を支えている「大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)」を鍛えましょう。
足上げ運動(SLR)
- 仰向けに寝て、片方の膝を立てます。
- 反対の足を伸ばしたまま、床から20cmほど浮かせます。
- 5秒キープして、ゆっくり下ろします。 これを左右10回ずつ、朝晩行うのが理想です。
5. まとめ:一生自分の足で歩くために
膝の痛みがあると、どうしても外出が億劫になり、筋力が低下するという悪循環に陥りやすくなります。
「痛いから動かない」のではなく、「負担の少ない動き方を身につけて、元気に動く」。これが、健康寿命を延ばすための一番の近道です。
当院のリハビリテーション科では、お一人おひとりの状態に合わせた「オーダーメイドの運動プログラム」を提案しています。階段がつらい、散歩を楽しみたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。

